今では9割以上の受験生が午後入試を受けています。
中学入試には大学入試や高校入試にはない特殊な点がありますが、なかでも「午後入試」は大きな特徴ではないでしょうか。
午後入試が実施され始めたことによって、中学受験の学校の選び方や併願の仕方、受験生の動き方や偏差値にまでさまざまな変化が起こってきたと言えるでしょう。
約15年前にいくつかの学校で実施され始めたときは、午前中の試験だけで精一杯なのではないかと心配される親もあって、敬遠されることも多かったのですが、今では、9割以上の受験生が午後入試を受けるまでになりました。
午後入試とはその名の通り、午後2時くらいから行われる入試のことです。
中学入試は2月1日から2月3日の3日間が山場です。
この短い期間の中で、午後入試を活用して遅くとも2月2日の夜までには合格を出したいという受験生の思惑があります。
その一方で学校側は受験料や入学金を得る機会を増やして資金を集めたいという思惑があります。中には、本命校の合格発表前に入学金納入を締め切る学校も多いのが実情です。
このように、受験生、学校双方の思惑がうまく合致して、午後入試受験者の人数が増えて来たのです。
親御さんとしては午前中の試験だけで精一杯なのではないかと心配される方もあるでしょうが、午後入試を上手く攻略するためにも心掛けたいことがあります。
確かに午前に比べて午後は体力も落ちて頭が働かないといわれますが、それは他の子も同じことですので、あまり不安に思う必要はありません。
子どもは案外しっかりしているものですから、午前・午後と試験を繰り返しても、二、三日の受験日程はゲームのように軽やかにこなしてしまうものです。
午前と午後の入試会場が遠い場合、例えば移動中の電車の中で昼食をとるようなケースも想定して、消化の良い食べ物を準備しておくと良いでしょう。
チョコレートなど手軽に栄養補給のできるものも有効です。
むしろ、朝早く起きて緊張しながら慣れない試験会場をまわる親の方がバテてしまうケースがありますから、お父さんお母さんの体力づくりも必要かもしれません。
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