犬の脳・神経の病気

●犬の脳・神経の病気

●犬の日射病

気温が高く換気の悪い場所に放置したり、炎天下で直射日光を浴び続けることによって起こります。
体温が高くなり過ぎて、ショック状態におちいり、場合によっては死亡することもあるため、緊急処置が必要となります。

【かかりやすい犬種】
肥満した犬、ボクサー、パグ、ペキニーズ、ブルドッグ、シー・ズーなどの短頭種

【原因】
犬は寒さには強いのですが、暑さには弱い動物です。犬の汗腺(汗を分泌する腺)は足の裏にしかないため汗を出して体温調節をすることができません。
そのため、犬は口を開けて空気を出し入れすることで、体温の調節を行っています。
しかし、気温が高くなり過ぎると、いくらハアハアと呼吸しても体温調節が問に合わなくなります。その結果、体温が上昇したままさがらなくなってしまいます。

【症状】
初期症状は次の通りです。
・激しいあえぎ呼吸をする
・大量のよだれが出ている
・体温が40〜41℃(直腸体温)に上昇して脈拍が速くなる
・口の粘膜が鮮紅色になる
 これらの初期症状が現れたら、水や氷を体に当て、とにかく体温をさげます。

【予防法】
予防対策として大切なのは、車の中など、密閉され気温が上昇しやすい場所に長時間放置したり、炎天下で運動をさせないことです。愛犬は暑さに弱いということを理解し、十分な配慮をしてあげましょう。
夏の散歩や運動は、早朝かタ方以降に行います。長時間、留守番をさせる時なども、日陰や涼しい環境を必ず確保してください。

●犬のてんかん

突然、口から泡をふいて倒れ、けいれんや硬直などの発作が起こる病気です。脳に何らかの異常があったり、ほかの病気によって引き起こされる場合があります。

【かかりやすい犬種】
アイリッシュ・セター、イタリアン・グレーハウンド、コリー、ジャーマン・シェパード、セント・バーナード、ビーグル、ビション・フリーゼ、ダックスフンド、パグ、ボクサー、プードル、ビアデッド・コリー、ウェルシュ・コーギー、マンチェスター・テリア、シェットランド・シープドッグ、ハスキーなど

【原因】
脳の神経細胞(ニューロン)に何らかの異常が生じたために起こります。次のような病気が原因として考えられます。
・腫瘍や脳の損傷など
・低血糖症
・肝臓病
・腎臓病
・低カルシウム血症や高カルシウム血症
・低マグネシウム血症
そのほか、ストレスや周囲の環境の変化もてんかんを引き起こす誘因になります。

【症状】
突然、四肢を硬直させて横に倒れます。口から泡をふいて、けいれん発作を起こします。
発作の時に失禁することもあります。てんかん発作は、通常30秒程度で治まります。

【予防法】
発作予防には、発作を起こした時の状況を分析して、ストレスを与えず、発作の誘因となるものをなるべく取り除くことが大切です。
また、発作時に愛犬を無理に押さえつけるのはよくありません。発作によってけがをしないよう、周囲にある危険なものを取り除いて愛犬の様子を見守ります。





●犬の水頭症

脳の内部にある脳室に、大量の脳脊髄液がたまって脳を圧迫するために起こります。多くは先天的な要因によって引き起こされます。

【かかりやすい犬種】
コッカー・スパニエル、シルキー・テリア、ブルドッグ、チワワ、マルチーズ、ョークシャー・テリアなど

【原因】
脳脊髄液がたまる原因は、ほとんどが先天的な要素によるものです。
遺伝以外には、事故などによる頭部の外傷によっても起こることがあります。

【症状】
脳神経のどの部分が圧迫されたかによって、現れる症状が異なります。
大脳皮質が圧迫されると、四肢のまひをはじめ、運動失調、視力の低下などが起こります。動作がにぶくなるのが特徴です。また、大脳障害のために、周囲のものにまったく興味を示さなくなることもあります。
視床下部が圧迫されると、ホルモンの分泌に影響が出たり、過食になったり逆に食べなくなったりするなどの症状が見られます。
大脳辺縁系が障害された場合には、性行動に異常が起こったり、攻撃性が非常に強くなります。

【予防法】
一般に延命は可能ですが、完治はほとんど期待できません。

 

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