犬の心臓の病気

●犬の心臓の病気

●犬の僧帽弁閉鎖不全症

心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が完全に閉じなくなる病気です。
血液が逆流するために、息切れや呼吸困難などの症状が現れます。犬の心臓病のなかでもたいへん多いものです。

【かかりやすい犬種】
マルチーズ、シー・ズー、ポメラニアン、プードル、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどの小型犬

【原因】
左心房と左心室の間に血液が逆液しないようについているのが憎帽弁です。
憎帽弁は心臓が収縮した時に閉じ血液が左心室から左心房に戻らないようにする役割を侍っています。
しかし、憎帽弁が老化によって変形し厚くなると、弁が完全に閉じなくなり血液が逆液します。これが憎帽弁閉鎖不全症です。

【症状】
初期にはあまり症状はありませんが、次第に激しい運動を嫌がりせきをするようになります。
その後、気温がさがった時や明け方に、せきの発作を起こします。発作がはじまると、ものを吐くような姿勢をとることがあります。

【予防法】
憎帽弁の異常は、5〜6歳頃からはじまり、10歳頃から症状が現れます。とくに小型犬や中型犬に多く見られます。
せきが続いたり、呼吸があらいような時は、早めに動物病院で検査を受けてください。





●犬の心不全

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。その働きが低下して、体が必要とする血液を送り出せなくなった状態を、心不全といいます。

【かかりやすい犬種】
心臓病にかかっている犬

【原因】
心臓の弁の異常や心臓の血管の異常、心臓の筋膜の異常をはじめ、フィラリア症なども心不全を引き起こす原因になります。
また、こうした疾患に加えて、肥満や過度の運動、呼吸器の病気、貧血、妊娠などがあると、心臓により大きな負担がかかり、心不全を招きやすくなります。

【症状】
心臓は大きく左心と右心に分けられますが、そのどちらの機能が低下するかによって、左心不全と右心不全に分けられます。
・左心不全の場合 
初期
激しい運動や興奮した時に、ぐったりしたり、呼吸困難になったり、せきが出ます。
進行すると
軽い運動や散歩程度でも、呼吸困難やせ去が見られます。
・右心不全の場合 
初期
おなかや足にむくみが見られます。
進行すると
むくみ以外に、腹水(おなかに水がたまる)や、胸水(胸に水がたまる)が見られます。

【予防法】
日常生活の注意としては、心臓に負担をかけないように、運動制限をしたり、興奮させないよう+分に配慮します。食餌では、水分と塩分を減らします。

●犬のフィラリア症

フィラリアは、蚊によって運ばれ、血液を介して犬に感染する寄生虫です。
フィラリアは、犬の心臓に寄生するため、心機能に障害が生じます。進行すると死に至るこわい病気です。

【かかりやすい犬種】
予防薬を飲んでいない犬

【原因】
フィラリアの感染には蚊が関係していますが、仕組みはやや複雑です。
フィラリアのメスは、寄生した犬の血液中に幼虫を産みます。この幼虫はミクロフィラリアといい、犬の体内では成長できません。蚊が犬の血液を吸う際、ミクロフィラリアも一緒に蚊の体内に入り、そこで2回脱皮して、三期幼虫になります
そして再び、宿主の蚊が犬を剌したときに、吸血孔から犬の体内に侵入するのです。
体内に侵入した幼虫はさらに脱皮を繰り返して成長し、やがて静脈に入り込み、血流にのって心臓に移動し、そこで成長します。

【症状】
・慢性犬フィラリア症
一般によく見られるのは、この慢性の症状です。
心臓にフィラリアが大量に寄生するため、全身に送り出す血流量が不足します。そのため、気管支静脈にうっ血などが起こり、せきが出るようになります。
初期は運前後にせきをすることが多いのですが、進行すると頻繁にせきをし、とくに朝晩に激しくせき込むことが多くなります。

【予防法】
・予防薬を必ず飲ませる
予防薬には毎日服用するタイプと月|回服用するタイプかあります。服用する期間は、蚊が飛びはじめる4〜5月から蚊がいなくなる12月頃まで
・屋外で飼う場合は犬舎に防虫網を張る
蚊を寄せつけないためには室内で飼うのがベスト。屋外で飼う場合は、大吉に防虫網を張ります。
・蚊取り線香で蚊を退治する
蚊が多い季節は蚊取り線香などで蚊を退治、防虫します。

 

サイトマップ