猫の耳の病気

猫の耳の病気

猫の耳は、外耳、中耳、内耳の3つで構成されています。
外耳・・・耳翼が集音した音の響きは、外耳道を通って鼓膜に伝わります。
中耳・・・鼓膜に伝わった響きを、さらに奥にある内耳に伝える働きをします。
内耳・・・蝸牛、前庭、三半規管からできています。外から伝わってきた音の振動は、この中にある液体を通過して脳へ伝わり、音として聞き取られます。

●猫の外耳炎

【原因】
外耳道に起こる炎症のことで、外耳道がL字型になっているため、通気性が悪く炎症を起こしやすくなっているのです。炎症の直接の原因は、耳疥癬、アレルギー、腫瘍、耳道内の異物などです。

【症状】
外耳炎が進行すると、耳道が狭くなるため乾燥しにくくなり、耳垢の中にいる細菌が増殖すると、さらに悪化します。
中耳炎・・・炎症が中耳に広がると中耳炎になり、ますます治りにくくなります。
内耳炎・・・炎症が内耳までおよぶと、難聴、斜頚、旋回運動(一定方向に円を描いてぐるぐる回る動作をする)、眼振(頭部は動いてないのに眼球のみが縦もしくは横方向に振動する)、食欲不振、嘔吐などの神経症状が認められるようになります。

【治療・予防法】
ひっきりなしにかゆがったり、頭を振るときは早目に診察を受けましょう。

●猫の耳血腫

【原因】
耳を強く打ったり、外耳炎・耳ダニの感染などから引っかくことによって、耳の血管が切れ、血液が混じった膿が溜まる症状です。

【症状】
耳が腫れ上がり、ぶよぶよした感触になります。
耳血腫そのものは生体にそれほど危険なものではなく、痛みも強くありませんが、耳の形が変形したり外耳道をふさいでしまうことがあります。

【治療・予防法】
血腫の膿を吸い出したり、麻酔をかけて耳の血液や血液の塊を取り除きます。
最近では内服薬による治療も報告されています。
完治しても、しばらくすると同じところに再発したり、反対側の耳に発症することがあります。

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●猫の日光性皮膚炎

【原因】
日光の紫外線UVBにより起こる、耳の先端の皮膚炎です。
とくに耳の先端の毛が白い猫に起こりやすいです。

【症状】
最初は耳の先の毛が抜けて赤くなり、慢性化すると扁平上皮癌を起こす恐れがあります。

【治療・予防法】
室内飼いで紫外線から守り、副腎皮質ホルモン剤による治療、サンスクリーンの塗布も予防と悪化防止に有効です。

●猫の難聴

【原因】
何らかの原因で聴覚が低下した状態を難聴と呼び、先天的難聴と後天的難聴があります

【症状】
先天的難聴は白色の被毛と青い目を持つ猫に多<、左右の目の色が異なるオッドアイは青い目の側に障害が認められます。
後天性難聴は、老齢に伴うものや中耳炎・内耳炎などの感染症、交通事故による鼓膜の損傷などによって起こり、斜頚を伴うこともあります。

【治療・予防法】
室内による安全な飼育が望ましいです。

 

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