犬の目の病気

●犬の目の病気

●犬の角膜炎

角膜は、黒目の表面をおおっている透明な膜です。ここに炎症が起こるのが角膜炎です。

【かかりやすい犬種】
パグ、ブルドッグなどの短頭種、シュナウザーやシー・ズーなど目の前に毛が垂れている犬種

【原因】
多いのは、異物や毛などが目に入った時、目をこすることによる外傷性角膜炎です。シヤンプー液の刺激や、犬同士のけんかなどでも起こります。
外傷以外では、アレルギー反応や感染症が原因となることもあります。

【症状】
角膜の炎症は痛みが強いので、目をしきりにかいたり、こすります。また、涙や目やにで目の周りが汚れてきます。
炎症が進むと、角膜の表面が白く濁ったように見えることがあります。これはかなり悪化した状態です。

【予防法】
角膜を傷つける原因を取り除き、感染や炎症を仰える点眼薬を用います。

●犬の結膜炎

結膜は、まぶたの裏側と眼球の白い部分をおおっている膜です。結膜炎は結膜に炎症が起こって充血したり、まぶたがはれる病気です。犬の目の病気では最も多いものです。

【かかりやすい犬種】
チワワ、ペキニーズなど

【原因】
結膜は外界にさらされているため、細菌をぱじめ、さまざまな異物に接触する機会が多いものです。
炎症を引き起こすのは、細菌やウイルス感染などのほか、紫外線や乾燥も結膜を刺激する原因のひとつです。また、ほこりなどの物理的刺激、酸やアルカリなどの化学的刺激もあげられます。

【症状】
急性の場合は、まず目が充血して光をまぶしがります。目やにの量が多くなり、次第に膿のような目やにになります。
涙も増えるので目の周囲の被毛がぬれたり、汚れることがあります。また、かゆみや痛みがあるため、目をこすったりひっかいたりします。

【予防法】
結膜炎は、傾向として空気が乾燥する冬に多く見られるのが特徴です。さらに、目が大きく、眼球が飛び出しているタイプの犬種はかかりやすいため注意が必要です

●犬の白内障

白内障は、水晶体に変化が起こる病気です。水晶体は、レンズの役割をはたしているため、白内障が起こると次第に視力が低下します。

【かかりやすい犬種】
すべての高齢犬、若齢のコッカー・スパニエル、プードル、ビーグル、アフガン・ハウンド、狗

【原因】
水晶体のたんぱく質の性質が何らかの原因で障害されたり、水晶体の代謝に変化が起こると、たんぱく質の分子構造が少しずつ変わり、水晶体が白く濁つてきます。
白内障の多くは、老化によって起こります。老年性の白内障は、8歳以上の高齢の犬に起こりやすいのが特徴です。

【症状】
目をよく観察して、瞳孔の奥に白い濁りが見られたら白内障が疑われます。
白内障では、目の濁りとともに、次のような異常が現れます。
・ものにぶつかったり、よろけることが多い。
・投げたボールやおもちゃなどを見失うことが多くなる
・物音を必要以上にこわがったり、驚いたり、知らない場所に行きたがらなくなる

【予防法】
水晶体の濁りをきれいになおすことはできませんが、薬によって濁りの進行を仰えることはできます。





●犬の緑内障

緑内障は、眼圧(眼球を球状に保つための眼球内部からの圧力)が高くなるために起こる病気です。
進行すると失明する危険もあるため、早期の治療が肝心です。

【かかりやすい犬種】
チワワ、ビーグル、アメリカン・コッカー・スパ二エルなど

【原因】
眼圧が高くなるのは、眼球の前面にある「前房」を満たしている「房水」という液体が増えるためです。

【症状】
最も特徴的な症状は、目の色が緑や赤色に変わることです。
緑内障では、瞳孔が開いたままになるため目の奥の赤や緑色をした組織が外側から見えるようになるからです。

【予防法】
片側の目に緑内障が起こった場合は、もう片方の目にも起こりやすいので治療後も定期的な検査が不可欠です。

●犬の眼瞼内反症

まぶたが内側に巻き込んでいる(内反)ために起こる病気です。まつ毛がつねに目の表面をこするため、不快感や痛みが生じます。

【かかりやすい犬種】
アイリッシュ・セター、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、グレート・ピレニーズ、コッカー・スパニエル、シャー・ペイ、セント・バーナード、チャウ・チャウ、ニューファンドランド、パグ、パピヨン、ブルドッグ、ブル・マスチフ、ポインター、ラブラドール・レトリーバー、ロットワイラーなど

【原因】
眼瞼内反症の多くは、先天的なものです。犬種によっては、顔の皮膚がたるんでいるために内反や外反になりやすいことがあります。

【症状】
まつ毛がいつも目の表面に接触しているため、目を気にするように前足でしきりにこすります。
また、まぶたがピクピクとけいれんしたり、目やにや涙の量が増えます。

【予防法】
症状は子犬の時から現れるので、チエックをして、目やにや涙が多い場合には獣医師に診てもらい、眼瞼内反症ならば早めに手術や適切な処置を受ける必要があります。

●犬の眼瞼外反症

まぶたが外側にめくれあがった状態で、眼瞼内反症と逆のものです。角膜や結膜が露出しているので、乾燥や感染によって、角膜炎や結膜炎にかかりやすくなります。

【かかりやすい犬種】
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、グランバー・スパニエル、コッカー・スパニエル、セント・バーナード、バセット・ハウンド、ブラック・アンド・タン・クーンハウンド、ブルドッグなど

【原因】
結膜炎でまぶたがはれていたり、外傷による顔面神経まひなどが原因で起こることもありますが、顔の皮膚がたるんでいる犬種では先天的にかかりやすいといえます。

【症状】
まぶたがめくれているため、犬はしきりに目を気にします。目やにが多くなったり、結膜が露出しているので涙が多くなって流涙症になることもあります。
また、目が乾燥しているため、乾性角結膜炎にかかりやすくなります。

【予防法】
乾性角結膜炎の予防のためには、目の周囲を洗浄して、炎症を鎖める軟膏や人王族液で角膜や結膜を保護します。

 

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