犬の内分泌の病気

●犬の内分泌の病気

●犬の糖尿病

血液中のブドウ糖をうまく利用できなくなる病気です。肥満した小型犬のメスにとくに多く見られます。

【かかりやすい犬種】
シルキー・テリア、ダックスフンド、サモエド、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーなど

【原因】
インスリンの分泌が低下したり、働きが悪くなってしまうと、うまく利用されたり貯蔵できないため、血液中のブドウ糖の濃度が高いままになります。そして過剰になったブドウ糖がおしっこに出るようになります。これが糖尿病です。
インスリンの分泌や働きが悪くなる原因としては、遺伝的な要因に、食べ過ぎや運動不足による肥満、スドレス、ウイルス感染などが関係していると言われます。なかでも、肥満は発症に大きく影響します

【症状】
糖尿病の初期によく見られる症状は次の通りです。
・尿の量が異常に増えます。
・尿量が増えるためのどが渇き水をガブ飲みします。
・食欲が旺盛でよく食べるが、その割には体重が減ってきます。しかし、初期は水ぶくれのようになっているので、見た目ではわかりにくいことが多い。

【予防法】
糖尿病は予防が大切です。飼い主は日頃から食べ過ぎや運動不足に気をつけ、適正な体重を維持できるようコントロールしましょう。
また、ホルモンの関係上、避妊手術をしていないメスはかかりやすいものです。出産を希望しない場合は、早めに避妊手術を受けておくとよいでしょう。
ただし、避妊手術後は肥りやすくなるのて術後の肥満に注意する必要があります。

●犬の副腎皮質機能亢進症

副腎皮質ホルモンの慢性的な過剰分泌が原因で起こります。4歳以上の犬に多く見られます。

【かかりやすい犬種】
プードル、ダックスフンド、ボクサー、ボストン・テリア、ポメラニアン、ョークシャー・テリア、ビーグルなど

【原因】
原因として最も多いのは、脳下垂体にできた腫瘍によるものです。腫瘍ができたことよって副腎が刺激され、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されます。

【症状】
水をガブガブとよく飲むようになります。そのため、必然的におしっこの量も増えます。
また、異常にたくさん食べるようになります。 体の左右対称に脱毛が起こります。抜毛が乾燥してパサパサになって、毛づやが悪く弾力もなくなります。

【予防法】
予防法はとくにないため、定期的な検査で早期発見を心がけることが大切です。
とくに中高齢になるとかかりやすいので、4歳以上になったら定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
また、愛犬がかかりやすい犬種に該当する場合は、とくに注意して、症状を見逃さないようにすることが大切です。





●犬の尿崩症

飲んでも飲んでも水を欲しがるという症状が特徴的です。水をよく飲み大量のおしっこをする時は、この病気が疑われます。

【かかりやすい犬種】
すべての犬種

【原因】
おしっこをつくったり、排尿に関係する働きは、脳下垂体から分泌される抗利尿ホルモンによってコントロールされています。
脳の視床下部や下垂体に腫瘍ができたり、先天的な抗利尿ホルモンの異常によるものです。
なかには、利尿薬や抗けいれん薬などの薬が影響するケースもあります。
また、腎臓や肝臓、泌尿器などの病気があると、抗利尿ホルモンの分泌は正常でも尿崩症になることかあります。    

【症状】
とにかく大量の水を飲みます。飲んでも欲んでも水を欲しがり、さらに、水のようにうすいおしっこを大量にします。

【予防法】
いつでも好きなだけ水が飲めるように配慮すると同時に、尿量が増えるので散歩の回数を増やしたり、トイレをととのえるなどのケアを十分に行ってあげましょう。

●犬の甲状腺機能亢進症・低下症

甲状腺機能亢進症は甲状腺の働きが活性化され、ホルモンが過剰に分泌される病気です。
一方、低下症は逆に機能が低下し、分泌が減少するために起こります。ホルモン異常でも多く見られる病気です。

【かかりやすい犬種】
アイリッシュ・セター、アフガン・ハウンド、ゴールデン・レトリーバー、シュナウザー、シャー・ペイ、ダックスフンド、ドーベルマン、ピンシャー、ニューファンドランド、プードルなど

【原因】
・甲状腺機能亢進症
 甲状腺ホルモンの過剰分泌によって起こります。甲状腺ホルモンが過剰に分泌される原因としては、甲状腺の腫瘍、遺伝的な要因、ほかのホルモンの分泌異常、ストレスなどがあります。
・甲状腺機能低下症
 甲状腺の萎縮や破壊によって、甲状腺ホルモンの分泌が低下することで起こります。甲状腺が破壊される原因としては、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫」が関係していると考えられています。そのほか、腫瘍が原因となるケースもあります。

【症状】
・甲状腺機能亢進症
 興奮しやすく、落ち着きがなくなります。血圧が高くなったり、脈拍や呼吸も遠くなります。 食欲旺盛になってよく食べるのに、その割にはやせてきます。のどが渇くため、水を大量に飲み、尿量も増えます。脱毛が起こりますが、かゆみはありません。
・甲状腺機能低下症
 甲状腺の萎縮や破壊によって、甲状腺ホルモンの分泌が低下することで起こります。甲状腺が破壊される原因としては、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫」が関係していると考えられています。そのほか、腫瘍が原因となるケースもあります。

●犬の上皮小体機能亢進症・低下症

甲状腺の表面と内部にある上皮小体(副甲状腺)の機能が亢進して、カルシウムの代謝異常が起こる病気です。
逆に、上皮小体の機能が低下して、ホルモンの分泌が減少するのが低下症です。低下症でもカルシウムの代謝異常が起こります。

【かかりやすい犬種】
2〜7歳程度の、プードル、シュナウザー、ラブラドール・レトリーバーなど

【原因】
食餌でのカルシュームの摂取が少ない時や、日光にあまり当たらず血液中のカルシウム濃度が低い時に起こります。不足したカルシウムを補うために、ホルモンがたくさん分泌されることによって、機能亢進が起こります。
また、上皮小体ホルモンの分泌が低下して、血液中のカルシウム濃度が低くなります

【症状】
亢進症では、水を大量に飲むようになり、尿の量が増えますが、ほかには目立つ症状はありません。
また、低下症では、元気がなくなって、運動や散歩を嫌がるようになります。食欲不振になってあまり食べようとしませんが、体重は増えることが多いようです。寒さに敏感になり、すぐに震えたり、屋外で飼っている場合には室内に入りたがるようになります。

 

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