犬の引っ張り癖も状況によって、犬の気持ちが異なります。
ここでは
1.リードをひっぱる
2.立ち止まって動かなくなる
の2つに分けて、困った犬の引っ張り癖の行動の意味と犬の気持ち、そしてしつけのポイントについて考えてみましょう。
1.リードをひっぱる
●“どうしてそんなに急いで行きたがるの?”
飼い主を先導しているつもりです。
行き先を犬が決めてしまうような、犬まかせの散歩になってしまっているためにリードをひっぱられてしまいます。
気の弱い子なら無意識の内に、家に帰りたがっている(帰巣本能)のかもしれません。
●犬の気持ち
「黙って俺についてこい!」
犬が強気だと、いざというときのコントロールが難しくなります。
「次はこっちだよ!」
犬としては、飼い主を散歩させているつもりで、どんどん自分の行きたい方向へ引っ張ります。
外でしかトイレをしない子は、トイレポイントに早く行きたいだけなのかもしれませんよ。
「早く帰ろ、帰ろ!」
生まれつき気の弱い子は怖くて落ちつかず、まっしぐらに家に帰りたがってひっぱる子もいます。
「後ろに引っ張るんなら、もっと前へ行ってやるぞ!」
犬は後ろに引かれるほど、前に進みたがります。「作用反作用の法則」によるものです。
●しつけのポイント
犬が前に出てひっぱったらすぐに立ち止まって方向転換。飼い主の行きたい方向へ進み、「歩く方向を決めるのは飼い主」ということを教えましょう。
・自分の横につかせて歩く
横につかせるには、リードの使い方、声のかけ方、おやつのあげ方など、じつにたくさんの方法があります。
・ひっぱり癖を直すグッズを活用
首輪やリードを加工した、市販のひっぱり防止グッズを便うのもひとつの方法です。
<ヒント>
「作用反作用の法則」力の相互作用により、私たち人間も犬も、ひっぱられるとひっぱり返す習性があります。
リードをひくと、かえって犬がひっぱり返してきます。
ごほうびなどを使って、飼い主と並んで歩くのが楽しいことを教えましょう。
リードがほどよくたるむくらいが、犬が落ちついて歩けるポジションと言えます。
2.立ち止まって動かなくなる
●“困った顔して何が言いたいの?”
犬は散歩が好きですが、いつも楽しいことばかりではありません。
進みたくないのには、何か理由があるはずです。
でも、もしかしたら単なるワガママかもしれませんよ。
●犬の気持ち
「そっちは怖いヤツのにおいがしてイヤ!」
犬はその鋭い嗅覚と聴覚でつねに情報収集しています。その情報の中に不安な要素があれば、立ち止まって様子をうかがうのです。
もしかしたら、以前男の子にいじめられた恐怖体験が重なっていることもあるかもしれません。
「もうヘトヘト、歩きたくない。」
散歩が大好きな犬だって、疲れることがありますし、身体の調子が悪い時もあります。
いつも以上に疲れた様子を見せる場合は、体に異常がないか確認してあげましょう。
「はい、歩くの終わり。抱っこがイイ!」
立ち止まれば抱っこしてくれてラクができたという経験から、わざと歩かない子もいます。
●しつけのポイント
自分で歩くように犬のやる気を促す
犬にもいろいろと事情があるはずです。動作や表情から犬の気持ちを汲んであげてください。
・声をかけたり、おやつ、おもちゃで促す
信頼関係があれば、飼い主の声かけと促しで「わかった、がんばる」と思い直して、散歩をつづけるでしょう。
・行き先を変える
ルートを変更すると、たいていの犬は再び歩き出します。それでも歩かない場合、体調不良や単にワガママが原因かもしれません。
・抱っこして散歩しながら反応を見る
抱っこしても様子がおかしい場合は、そのまま動物病院へ連れて行きましょう。
<ヒント>
進んだらほめましょう
犬を歩かせるには、少しでも前に進んだら、ほめることが大事です。
おやつを使う場合は、犬が歩き始めるまでは見せるだけ。歩いたらごほうびとして与えます。
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