猫の免疫系の病気
免疫機構は、通常病原体などの外来物質を攻撃し、自分の組織は攻撃しないように調節されています。この機構に異常が生じると、自分の細胞や組織を破壊してしまいます。
免疫病は、生体を守る免疫反応がかえって障害を与えるようなアレルギーと、免疫機構が働かない免疫不全などがあります。
●猫のアレルギ一
【原因】
免疫反応がかえって障害を起こす免疫介在性疾患のことです。アレルギーの原因となる抗原物質をアレルゲンといいます。
【症状】
症状はさまざまで、顔面や足が腫れたり、虚脱状態になるような全身的な症状を示すこともあれば、皮膚や消化器、呼吸器などに限られる場合もあります。
また、急速に起こる場合や時間がたってから起こる場合があります。
【治療・予防法】
アレルゲンとなるものを究明して取り除き、避けます。
・食物・・・食餌アレルギー
・ノミ・ダニ・・・ノミアレルギー
・薬物・・・尋麻疹、薬疹
・食器など・・・接触性皮膚炎
・花粉・・・アトピー
・ノミー食餌など・・・好酸球性肉芽腫
・ほこり、刺激臭他・・・アレルギ一性気管支炎
・特定しにくいもの・・・ネコ喘息
●猫の免疫不全症
【原因】
ネコ免疫不全ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルスに関連する免疫不全があります。
これらのウイルスは、胸腺やリンパ節などを萎縮させたり骨髄抑制を起こすことにより、免疫を低下させます。ネコ免疫不全ウイルスでは、長い経過ののち重症の免疫不全を起こします。
【症状】
元気がなくなり、痩せてきます。免疫不全による口内炎、上部気道疾患(せき、鼻汁、目やに)、皮膚炎、腸炎などが見られ、回復に時間がかかります。
【治療・予防法】
ストレスのない快適な環境で飼い、異常に対してはすぐに病院で処置してもらいましょう。ウイルス感染を予防し、定期的に健康診断してもらうことも大切です。