猫の呼吸器の病気
呼吸器は、鼻腔、気管、肺なとがらなる空気の通り道で、外と直接接触しているために、さまざまな異物やウイルス、細菌に汚染されやすく、病気にかかることが多くなります。
鼻から肺まではつながっているため、周辺が同時に病気にかかることも多く、病気の特定がしにくいこともあります。
予防接種を毎年受けることで予防につとめ、病気の早期発見と適切な治療で完治させることが大切なポイントです。
●猫のネコ伝染性呼吸器感染症(上気道ウイルス感染症)
【原因】
ネコヘルペスウイルス、ネコ力リシウイルス、細菌のクラミジアの感染によって起こります。とくに寒い冬の空気が乾燥した状態では、感染しやすくなります。
【症状】
はじめは鼻汁、軽いくしゃみが出て、症状が進むと鼻づまりやなくしゃみ、せきがひどくなります。
また、鼻づまりで□を聞けたまま苦しそうに呼吸するようになり、食欲不振、脱水などを招きます。
【治療・予防法】
鼻づまりを防ぐために、濡れたガーゼなどでこまめに鼻水を拭き取ります。内科療法のほか、温度・湿度に気をつけ、栄養価の高い食事を与えて安静にします。
ワクチンで予防できるものもありますが、ウイルス性の感染症が慢性化しないように、きちんと治療することも予防のひとつです。
●猫の慢性副鼻腔炎
【原因】
上気道ウイルス感染症で全身の抵抗力が落ちて鼻炎が慢性化すると、人間の蓄膿症のような副鼻腔炎になります。
【症状】
くしゃみ、膿性の鼻汁、目ヤニの症状が慢性化します。
【治療・予防法】
温度・湿度に気をつけ、栄養価の高い食事を与えて、安静にします。興奮して呼吸が苦しくなるようなことは避けましょう。
●猫の慢性気管支炎(ネコ喘息)
【原因】
アレルギー物質や煙、刺激の強いガスなどが原因で気管支が収縮したり、気道内の粘液分泌が亢進する慢性の呼吸器疾患です。
【症状】
慢性的にせきをし、のどに何かつまったようなゼーゼーと音のする発作を起こします。
【治療・予防法】
発作の原因を見つけてアレルギー状態を改善する一方で、飼育環境の改善、室内の空気の入れ替えなどで発作の予防につとめます。