猫の胸腔の病気

猫の胸腔の病気

猫の胸腔は、肋骨などの骨格でおおわれた鳥カゴのような形になっていて、心臓などの循環器、肺、気管支などの呼吸器、食道などがあり、横隔膜で腹腔と隔てられています。
胸腔の病気には、気体や液体が胸腔に溜まって肺の働きを妨げるものと、腫瘍によるものがあります。呼吸困難や浅く速い呼吸、□を開けたままの開□呼吸のほか、元気・食欲の低下や食事拒否などの症状が共通しています。

●猫の気胸

【原因】
猫が高いところから落ちて胸を強く打って胸に外傷が起きたり、気管や胸壁、肺に損傷が起きると、胸腔に空気がたまって肺を圧迫して起こります。
炎症で弱くなった肺や気管が、激しいせきなどで破れ二次的に起きるケースもあります。

【症状】
肺が膨らまないため、□を開けて苦しそうな呼吸困難の症状が表れます。
呼吸器の病気が悪化して起こる場合は、甘せきや鼻づまりの症状もあり、事故が原因のときは、血を吐くこともあります。落下して胸を強打すると、ほとんどの場合、気胸にかかります。

【治療・予防法】
早急にレントゲン検査が必要です。
吸引操作で胸腔内の圧力を下げ、肺の損傷部分が塞がるのを待ちます。

●猫の膿胸

【原因】
ケンカによる外傷や異物などで胸壁や気管、肺などに穴があき、そこから細菌が胸に入り込み感染して起きる胸膜の炎症が原因です

【症状】
膿などが胸腔内に溜まって肺が圧迫され、呼吸ができなくなります。
発熱、口を開けて呼吸し、元気がなくなり食欲も低下します。

【治療・予防法】
カテーテルなどで膿汁を除き、胸腔内を洗浄します。

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●猫の横隔膜ヘルニア(横隔膜破裂)

【原因】
胸腔と腹腔を隔てている横隔膜が破れて起きます。先天性と外傷性の2つがあります。
先天性は、軽い場合は症状が見られず、嘔吐や呼吸困難などで発見されます。
外傷性は、高所からの落下や事故が主な原因です。

【症状】
横隔膜が損傷し胃、肝臓、腸などの臓器が胸部に入り込んで、肺などを圧迫します。
外出からの帰ってきた時にぐったりして動かず、苦しそうに呼吸したり全く食欲のない様子で気づくことが多く、目に見える出血や外傷がない場合、発見が遅れることもあります。
臓器のほとんどが胸の方に移動すると、お腹がへこんだように見えることもあります。

【治療・予防法】
ほとんどの場合、手術が必要で、事故に伴う胸部の手術は危険も多く、命に関わることもあります。
手術の後は、安静と栄養補給で、体力の回復を待ちます。

 

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