犬の鼻の病気

●犬の鼻の病気

●犬の鼻炎

細菌やウイルスの感染、物理的な刺激、化学物質、アレルギーなどによって鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。
鼻は呼吸器の入り口であるため、空気と同時にさまざまなものが鼻の粘膜に接触します。
何が原因で炎症が起きているのかを突き止め、原因に応じた治療をすることが大切です。

【かかりやすい犬種】
すべての犬種

【原因】
最も多く見られるのは、細菌やウイルスの感染によるものです。とくに冬は空気が乾燥しているため、細菌やウイルスに感染しやすくなります。かぜをひいて鼻水が出るのもこのためです。
最近、人間と同様に増加傾向にあるのがアレルギー性の鼻炎です。アレルギーとは、体内に入ってきた異物を追い出す免疫の働きが過剰になって起こる反応です。
アレルギー反応を引き起こす物質(カビ、ほこり、花粉など)が、鼻の粘膜に付着することによって起こります。

【症状】
軽い鼻炎なら、水のような鼻水が出たり、たまにくしゃみが出る程度です。鼻が気になるので時々鼻をこすったりします
しかし、鼻水が多少出ていても、犬は舌でなめてしまうため、飼い主はなかなか気づかないようです。
鼻炎がひどくなると、膿のような鼻水が出たり、鼻水に血が混じることもあります。また、いつも鼻水をたらすようになります。その鼻水で皮膚がただれると、しきりに鼻をこするようになります。飼い主は、この段階になって気がつくことが多いといえます。

【予防法】
カビやはこりが原因の場合は、犬舎や室内の衛生状態に注意が必要です。原因が花粉の場合には季節も関係します。原因となる花粉が飛び散る季節には重点的に治療・予防を行う必要があります 。

●犬の副鼻腔炎

鼻炎が悪化することによって起こる病気です。絶えず鼻水が出て、苦しそうに呼吸をします。
さらに進行すると、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になるため、早期に動物病院で治療を受ける必要があります。

【かかりやすい犬種】
すべての犬種

【原因】
副鼻腔は、鼻腔のさらに奥にある空洞で、粘膜におおわれています。鼻炎を放置したり、慢性化して炎症が奥まで広がると、副鼻腔炎になります。
副鼻肺炎を放置すると、膿がたまって、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になります。

【症状】
軽いうちは水のような鼻水が出て、くしゃみがたまに出る程度ですが、進行すると血が混じった膿のような、ドロッとした粘り気のある鼻水が出るようになります。
こうなると鼻詰まりが著しく、呼吸も苦しそうになります。また、鼻が痛くなったり、結膜炎を併発して目やにや涙が出るため、しきりに顔をこすったりします。

【予防法】
副鼻腔炎は鼻炎が長引いたり、放置することで起こります。目頃から鼻の状態をチェックして鼻水や鼻詰まりがないか、観察する習慣をつけましょう。





●犬の鼻出血

鼻出血は単純な症状に思えますが、その原因はさまざまです。
打撲などの外傷によるものから、全身の感染症、腫瘍によるものなど、多くの原因が考えられます。鼻血だけに注目してしまうと、重大な病気を見逃してしまうことがあるので、注意が必要です。

【かかりやすい犬種】
すべての犬種

【原因】
鼻出血は、鼻腔に原因がある場合と、そうでない場合に大きく分けることができます。
・鼻腔に原因がある場合
頭部の打撲や骨折などの外傷によるものや、鼻の内部に腫瘍ができているために起こります。
・鼻腔以外に原因がある場合
血液の病気や、中毒や感染症が原因になります。

【症状】
鼻血が出る時は、どんなふうに、どれぐらいの量が出ているか、よく観察してください。
一般に、外傷による鼻血は急激で量も比較的多く出ます。腫瘍などが原因の場合には、ジワジワと少量の出血が断続して起こることが多いものです。

【予防法】
軽いけがなどで鼻血が出た時は、散歩は控え、ゆっくり休ませます。安静にしていれば自然に鼻血は止まります。

●犬の鼻腔狭窄

鼻の先天性の異常です。鼻腔が極端に狭いために、ふだんからよく鼻を鳴らしたり、鼻水を飛ばしたりします。
このような症状がある時は、鼻の穴が押しつぶされたようになっていないか、ほかの犬と見比べてみましょう。

【かかりやすい犬種】
シー・ズー、ペキニーズなど小型犬の短頭種

【原因】
先天的に起こる異常で、鼻腔が極端に狭くなっています。小型犬の短頭種に多く見られます。

【症状】
鼻腔が極端に狭いので、呼吸のたびにグーグーと音がしたり、鼻水をよく飛ばします。

【予防法】
狭窄は手術をすればなおります。肝心なのは、飼い主が早く気づいてあげることです。

●犬のコリーノーズ(日光性皮膚炎)

日光性皮膚炎は鼻の病気ではありませんが、鼻周辺の皮膚に異常が起こる病気です。
皮膚の病気とはいえ、ひどくなると鼻が崩れてしまうこともあります。鼻の健康チェックの際に、周囲の皮膚にも目を配ってください。

【かかりやすい犬種】
シェットランド・シープドッグ、コリーなど

【原因】
寒い国が原産の犬種は、遺伝的にメラニン色素が少ないために、強い日光にさらされると、紫外線によって皮膚に炎症が起こることがあります。
コリー・ノーズというようにコリーに多く見られる病気です。

【症状】
いちばん日に当たりやすい鼻先から鼻筋にかけて、皮膚が赤くなったり、脱色や脱毛が起こります。
進行すると、かさぶたになります。犬は気になるため、鼻をしきりになめます。そのため、鼻に潰瘍ができたり、ひどい時には鼻先が崩れてしまうこともあります

【予防法】
・なるべく紫外線に当てない
散歩や運動は、早朝か夕方の日没以降に行うようにします。
・犬舎は日陰や室内に移す
犬舎にかぎらず、1日の大半を過ごさせる場所は紫外線が少ない日陰や室内にした方が安心です。

 

サイトマップ