癒しと音楽の関係
「癒されタイム」のもうひとつのテーマは癒しと音楽です。
では、ここで「癒しと音楽の関係」について考えて見ましょう。
音楽のない世界など想像もできないほど、昔からこの世には音楽が満ち溢れています。
音楽にあまり関心の無い人も、無意識のうちに日常生活の中で音楽とかかわり、影響を受けています。
そして最近は「ヒーリングミュージック」などという言葉もよく聞くようになりました。
なぜ音楽を聴くと癒されるのでしょう。
◆ゆらぎの秘密
大きくなったり小さくなったり、強くなったり弱くなったりする連続的だけど、一定ではない揺れのことを「ゆらぎ」といいます。この「ゆらぎ」にこころが安らぐ秘密があるのです。
ゆらぎに含まれる波動はf(周波数)という記号で表します。人の生体リズムや自然界には1/fというゆらぎがあるといわれます。
人の心臓の鼓動には1/fゆらぎがあり、川のせせらぎや虫の声などにも1/fゆらぎがあって、そのお互いの振動が共鳴すると、美しいと感じて心が和むのだそうです。
このゆらぎには、1/f0、1/f1、1/f2の3種類があります。
その中でちょうどいいのが1/f1 です。
1/f0は、刺激性の強い音のもの。例えば、地震や山崩れ、激しい音楽など。また、非常に規則的でゆっくりしすぎている音が1/f2。時計の秒針や機械的な電子音などがこれにあたります。
あまりに激しい音楽は脳が疲れてしまうし、単調なら眠たくなってしまいます。つまり、こころや身体にとって、ちょうどいいのがその中間の1/f1ゆらぎということです。
1/f1ゆらぎには
● クラシック音楽
● 川のせせらぎ
● 般若心経(単調に聞こえるが、じつは言葉自 体にもゆらぎがある名調子)
などがあります。
1/fゆらぎの波長が耳を通して脳に働きかけ、脳の自律神経の調整によって感情や情緒を安定させる。それが、血液の流れをよくし、健康な身体にしてくれるのです。
では、このような癒しはどんな効果をもたらすのでしょうか。
◆癒しの効果
●ストレス解消
ストレスはなかなか自分自身でも原因がわからないことが多いものです。そんなときには、その気持ちと同調するような音楽を聴くと、自分の心が見えてくるようになります。
例えば、イライラしている時には、激しいテンポの曲、なにもやる気がしない時には、テンポの遅い曲を聴くと、自分の気持ちが音楽と一緒になって、ぐっと内に秘めていたうっぷんが外に出るようになるのです。
●胎教には一番
胎教音楽の目的は赤ちゃんに直接聞かせるのではなく、母親が聞いて赤ちゃんに伝えるものなのです。クラシックは1/fゆらぎをもっており、赤ちゃんの胎教には一番です。
母親が、いつものように赤ちゃんを抱くときは、ほとんどの人が、左に頭を持ってくるように抱きます。これは、母親の心音も1/fゆらぎで、赤ちゃんがそれを聞くと安心するからだそうです。
●痴呆症にも効果的
誰とも話をしないうちに、淋しさなどから痴呆症になるお年寄りがいます。老人ホームで音楽療法を使用したところ、それまで無口だったお年寄りが、自分の知っている曲を聴いているうちに、緊張がほぐれおしゃべりをするようになったそうです。
この場合の音楽は、かならずしもクラシックとは限りません。お年寄りが知っているナツメロや童謡でもかまわないのです。